ニキビと口唇ヘルペスの見分け方

口元を気にする女性

ヘルペスは、ヘルペスウイルスが原因の感染症です。
唇にできる口唇ヘルペスは、その中でも単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)です。
水ぼうそう(水痘)のウイルスは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)です。
口唇ヘルペスの場合は、最初に唇がピリピリしたりチクチクしたり、かゆみやほてりと言った前兆サインがあります。
そしてその後半日ほどしたら、赤く腫れてきます。
この時期はウイルスの繁殖が活発になっています。
この時期に治療を開始すると、効果的です。
その後1~3日ほど経つと、水ぶくれができます。この水ぶくれの中にはウイルスがたんさんいるので、水ぶくれが破れた患部に触ると感染するリスクが高いです。
10日から2週間ほどで、かさぶたができて、回復していきます。

初めて感染した場合は、口唇や口の周りに広範囲に大きな水ぶくれができて、発熱したりあごの下のリンパ腺が腫れることもこともあります。
再発の場合は、小さな水ぶくれが1か所に集まっていることが多く、重症化することは少ないです。
ニキビの場合は水ぶくれにはならないので、ここが大きな違いです。
また、チクチクしたりピリピリしたりすることもないので、このような痛みがある時はニキビではない可能性が高いです。
また、ニキビの多発地帯はおでこや頬、あごなどの皮脂線のはたらきが活発なところで、唇にニキビができることはあまりありません。

ヘルペスでは、水ぶくれができる前に、唇がピリピリしたりチクチクしたりするので、このサインを見逃さないようにして、この時期に治療を開始するのが理想的です。
ヘルペスウイルスは一度感染すると、症状が治ってもウイルスが完全に死滅したわけではありません。
神経細胞の奥にウイルスが潜んでいて、ストレスや疲労などで免疫力が落ちた時を狙って、潜んでいたウイルスが暴れ出します。
単純ヘルペスウイルスの抗体は、10代では17%ほどの人しか持っていませんが、30歳前後では50%の人が抗体を持っています。
感染率は約10%と言われていて、それほど高くはないのですが、これは全年齢に対する感染率です。10歳代の場合は、もっと感染率が高いと考えるのが妥当です。

空気感染はしませんが、接触感染します。患部に触れた手を介してうつることもあるし、キスでもうつります。また、ウイルスが付着したタオルなどから感染することもあります。
しかし近年、若者たちの間で増えているのは、オーラルセックスによる感染です。
性器ヘルペスが口にうつって口唇ヘルペスになる若者が増えています。
そして感染に気付かずにオーラルセックスをしたことが原因で、性器に感染させていくという、蔓延化の傾向があります。

原因も違えば治療法も違う

ニキビと口唇ヘルベスでは、原因が違うので当然、治療法も異なります。口唇ヘルペスの治療は、抗ウイルス薬を使います。
有効成分はアシクロビルというものです。
現在アシクロビルには、塗り薬と飲み薬(内服薬)と注射薬があります。
アシクロビルは、ヘルペスウイルスの遺伝子に働いて、ウイルスの増殖を抑制する薬です。
100各国以上で使われています。

数年前までは、アシクロビルは薬局で購入することはできませんでした。
しかし今は、軟膏とクリームの塗り薬に限って第一種医薬品として、薬剤師の指導を受けた上であれば、ドラッグストアでも購入することができるようになりました。過去に口唇ヘルペスと診断されたことがあり、同じ症状が出た場合の再発に限って使用が許可されています。

ヘルペスではなく他の疾患で誤って使うと、症状を悪化させることもあるので、初めて口唇ヘルペスを発症したケースでは使用することができないことになっています。
また、症状によっては、塗り薬ではなく、飲み薬や注射の方が良い場合もあります。
診断は、目で患部を見たり症状を詳しく聞けばわかるので、通常は血液検査などはしないことが大半です。
初感染の場合は皮膚科か内科を受診して、医師から処方された薬を使うことが大切です。
自己判断をして診断が間違っていたら、薬は効かず悪化することもあります。