アシクロビルを含んだ薬

アシクロビルは抗ウイルス剤として、単純ヘルペスウイルス(口唇ヘルペス、性器ヘルペス)、水疱瘡.帯状疱疹ウイルスに対して効果を発揮します。アシクロビルはゾビラックスという医薬品の主成分で、先発医薬品ゾビラックスのジェネリックになります。
治療薬には飲み薬のほか注射薬、塗り薬があります。アシクロビルの塗り薬は、薬剤師のいるドラッグストアでも市販されています。

ヘルペスウイルスは自力で子孫を増やすことができないため、感染した細胞の力をかりて増殖します。従来のウイルスの増殖を抑える医薬品は、感染した細胞にも害を及ぼすという問題がありました。
このアシクロビルはウイルスを抑制しても、感染した細胞には害のない画期的な医薬品として注目されています。
ヘルペスウイルスは、遺伝情報のDNAが複製されることで増殖していきます。DNAは核酸構成成分を取り込んで複製していきます。アシクロビルはこの核酸構成成分と似た構成をしているため、間違えることで複製を阻止する働きがあります。
この作用が、痛みや発疹などの皮膚表面の症状を改善していきます。アシクロビルは正常な細胞よりも、ヘルペスウイルスに感染した細胞の方が細胞内に入りやすい性質をもっています。そのためこのウイルスだけを、効果的に抑制することができます。

ヘルペスウイルスは幼児期に両親、祖父母などのスキンシップで自然に感染したり、幼児期にはほとんどがかかる水疱瘡などでも感染しています。しかしこのウイルスは死滅することがなく、神経細胞の中に潜伏しています。
潜んでいるウイルスは、免疫力の低下、ストレスなどちょっとしたきっかけで再発します。
アシクロビルは、体内に潜伏しているウイルスには効果がありません。再発してウイルスが活性化した時に、ウイルスの増殖を抑えるため発症の初期段階で使用することが一番効果的になります。
ウイルスがある程度増えてしまうと、回復するまで時間がかかってしまいます。

それまでのウイルス感染症はケースによって重症化し、回復の期間も大幅に遅れていました。アシクロビルの開発により新生児ヘルペスを90%~30%に、ヘルペス性脳炎を70%~20%に減少したというデータが報告されています。
その後AIDSをはじめウイルス感染症の治療分野を大きく発展させた医薬品でもあります。
長期間アシクロビルを投与していると、ヘルペスウイルスが耐性をもつ可能性があり、アシクロビルに抵抗力のあるヘルペスウイルスがあらわれてきています。

ゾビラックスの効果・副作用

ゾビラックスはアシクロビルが主成分で、世界初のウイルス治療薬になります。ウイルスの中でも単純ヘルペス、水疱.帯状疱疹の3つのウイルス増殖を阻止して改善します。
単純ヘルペス、帯状疱疹など一般的な治療では、ゾビラックス錠の経口内服型で治療しますが、脳炎、髄膜炎などの合併症がある場合には点滴剤が使用されています。眼軟膏は、単純ヘルペスの感染による角膜炎の治療にも使用されています。

ゾビラックスの有効率は単純ヘルペスに対する改善率が94、74%で、帯状疱疹の改善率は94、8%、水疱が98、8%と報告されています。いずれも、発症初期であるほど効果が高くなります。
ゾビラックスは用法、用量を守れば、副作用をほとんど気にかけることのない安全性の高い医薬品です。そのため、大人から子供まで幅広く用いられています。しかし市販は外用薬のみに限られているため、内服には医師の処方箋が必要になります。

とくに併用する医薬品によっては副作用があらわれることがあります。
おもな副作用は頭痛、眠気、吐き気、下痢、発疹、かゆみ、めまいなどになります。また5日間以上経過しても改善がみられない場合は、医師のアドバイスが必要になります。ウイルスは変異することがあり、耐性化した菌があらわれ効かない場合があります。